3月12日(土)に東京・浜松町の文化放送メディアプラスホールで、「第10回 声優アワード」の授賞式が開催されました。後編のレポートでは、助演男優賞・女優賞、最多得票賞、主演男優賞・女優賞の詳細をお届けします。
■鈴村健一さん、パーソナリティ賞と助演男優賞W受賞!
作品に欠かせない名バイプレイヤーに送られる助演男優賞と助演女優賞は、鈴村健一さん・細谷佳正さん・伊藤静さん・早見沙織さんが受賞。特に、助演男優賞を受賞した鈴村さんは、パーソナリティ賞に続くダブル受賞となり、感激もひとしおの様子。挨拶では、自身が演じる「おそ松さん」のキャラクター・イヤミのシェーも披露していました。
〇助演男優賞
鈴村健一さん(インテンション所属)コメント:最近は誰かを助ける、まさに助演という仕事が本当に増えてきました。たくさんの人たちの支えになれる、立派な役者になりたいと思います。そしてこの賞をいただけたというのも、「おそ松さん」でイヤミをやらせていただいたおかげなのは間違いないことだと思います。ですので皆さん、一緒にやってはいただけませんでしょうか。時代を超えて今も語り継がれるあのギャグを。それではいくザンスよ! 3・2・1、シェー!
細谷佳正さん(フリーランス)コメント:本日はこのような栄えある賞をいただき、本当にありがとうございます。2014年7月1日からフリーでの活動をさせていただいておりますが、今ここに立って改めて思うのは「一人では何もできなかった」ということです。改めて自分は幸せな演者だなと思っております。コンディションを崩してしまった時でも励まし続けてくださった音響監督の方、この度の受賞をさせようとしてくださった関係者の方々、そしていつも応援してくださっているファンの皆様に、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
〇助演女優賞
伊藤静さん(賢プロダクション所属)コメント:去年は作品と役に恵まれ、いろんな役を任せてもらえるようになった一年でした。声優を始めた頃は10年もやったら一人前と思っていたのですが、もうすぐ15年になろうとしてる今もまだまだ入口のあたり。階段を一歩上がったあたりでうろうろしている…そんな風に思っている中で、このような賞をいただけて本当に嬉しく思います。これからも迷いながらですが、階段を一段でも上れるように励んでいきたいと思います。
早見沙織さん(アイムエンタープライズ所属)コメント:この度は、このような栄えある賞をいただきまして、本当にありがとうございます。今回の声優アワードは第10回という節目の年ですが、私もこのお仕事を始めさせていただいて10年となりました。何か、とても素敵なご縁を感じております。これからも一歩一歩大切に歩んで参りたいと思います。すべての皆様、そして両親に感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございました。
■神谷浩史さん、栄えある殿堂入り
主演男優賞、主演女優賞の発表の前には最多得票賞の発表が行なわれ、神谷浩史さんが5年連続での受賞となりました。5回連続での受賞に実行委員会からは、神谷さんの“殿堂入り”が発表。受賞に際し神谷さんは「『神谷さんはオレの自慢であり誇りです』と言ってくれたスタッフがいました。こんなスタッフと仕事ができるのは、僕の誇りであり自慢です。そして、この賞は自信のない僕にみなさんが与えてくださった自慢であり誇りです」と語り、すこし照れた表情でトロフィーを受け取っていました。
■松岡禎丞さん、水瀬いのりさん受賞の想い
最後に、主演男優賞と主演女優賞の受賞者として、松岡禎丞さんと水瀬いのりさんが発表。登壇した松岡さんは、とても緊張していると語り、その賞の重みに深く感じ入っている様子でした。また、水瀬さんは声優アワード主演女優賞恒例の着物姿で登場。これまで支えてくれた人への感謝と、これからの決意を力強く語りました。
〇主演男優賞
松岡禎丞さん(アイムエンタープライズ所属)コメント:仕事を始めてから今まで、現場で演じつづければ、いつかは不安や緊張感は取れるのではと思ってきましたが、いまだに不安と緊張は取れません。これからも一つ一つの現場を大事にして、期待と不安を胸に僕は現場に行きたいと思います。皆様に楽しんでいただける作品を、素敵なスタッフと素晴らしい役者の皆さんと一緒に、一表現者として伝えていけたらと思っております。これからも頑張っていきますので、松岡禎丞、よろしくお願いいたします。
〇主演女優賞
水瀬いのりさん(ソニー・ミュージックアーティスツ所属)コメント:私が声優になりたいと思ったのは今から15年ぐらい前、5歳ぐらいの頃でした。15年後、こんな風に自分が主演女優賞をいただくなんて思ってもいなかったので、今日この場にいることが夢のようでとても嬉しいです。主演女優賞をいただけたのは、私に声優というお仕事を教えてくれた両親のおかげだと思っています。そして、この賞をいただいた自分をゴールだと思わずに更なる高みを目指し邁進し、いつか自分も誰かの夢や憧れになれるように、声優というお仕事を頑張っていきたいと思います。本当にありがとうございました。
記念すべき第10回目を迎えた声優アワード。回を重ねるごとに注目が集まり、今年の一般投票では、なんと8万5000票の得票があったそうです。アニメやゲームといったさまざまな日本の作品が世界中で注目されている今、同じように声優という仕事にも注目が集まっているという証左といえるでしょう。節目を迎えた声優アワード、2016年度はいったいどんな才能が登場するのでしょうか。【取材・文=小川陽平】