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「僕とロボコ」松尾駿(チョコレートプラネット)インタビュー 「ロボコのようなキャラクターの芸人がいたら、最強」

TVアニメ「僕とロボコ」ロボコ役、チョコレートプラネット・松尾駿さん


「週刊少年ジャンプ」にて連載中の人気ギャグ作品を大地丙太郎監督がTVアニメ化した 「僕とロボコ」 が、現在好評放送中です。不器用だけど一生懸命、感情豊かでパワフルなメイドロボ〝ロボコ〟を好演する、お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿さんにお話をうかがいました。


TVアニメ「僕とロボコ」
(C)宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会


——アニメ「僕とロボコ」、とてもおもしろいです。松尾さんのお耳に届いている反響の声も大きいのでは?
松尾 そもそもロボコの声をやると発表されたときの反響が、今まで仕事してきたなかでいちばんデカいぐらいでしたね。
——もう、放送開始前から。
松尾 そうなんです。毎日エゴサーチしているんですけど、見きれないぐらい、バーッ!となりました。……正直、そこまでとは思っていなかったんです(笑)。「わ、こんなに!」って、ひたすら驚きましたね。
——「僕とロボコ」は「週刊少年ジャンプ」連載作品のアニメ化ですが、「ジャンプ」とはどんなつきあい方をされてきたのでしょう?
松尾 小学校の高学年ぐらいから中学生までは普通に、毎週月曜日に買って読むような子供でした。「SLAM DUNK」や「ろくでなしBLUES」が載っていたころですね。でも「SLAM DUNK」が終わって、「ジャンプ」だけじゃなく、マンガを読む習慣がなくなっちゃったんです。それまではマンガ好きといっていいくらいだったと思うんですけどね。
——湘北高校といっしょに、ちょっとマンガ読者として燃え尽きた、みたいな。
松尾 そのあとも、「こち亀」(「こちら葛飾区亀有公園前派出所」)は父親が好きなんでアニメを見ていたりはしましたけど、ロボコに出会うまで、「ジャンプ」歴はだいぶ空いてるんです。……あ、高校のころ、「ONE PIECE」だけは8巻くらいまで追ってました。でも「ONE PIECE」は好きなんですけど、完結したらまとめて読むって決めてるんです(笑)。


TVアニメ「僕とロボコ」より
(C)宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会


——アフレコの感想はいかがですか?
松尾 とにかく最初はスピード感に驚きました。今までやった声の仕事の、体感は7倍ぐらいです。めっちゃ速くて、追いつかないですよ。これまで出演させてもらった作品では、「セリフ言って、台本見て、次のセリフ言って……」くらいのタイミングでできていたのが、この作品では違う。台本を見ている間に、3個先ぐらいのシーンに行ってしまう。ヤバっ!となりました。初回なんてもう、終わったときはくったくたでしたね。今でもですけど、特に初回は、ボンド役の津田美波さんが助けてくれなかったら乗り切れなかったと思います。
——津田さんがサポートを。
松尾 本番でもですし、台本のチェックの仕方まで教わりましたからね。事前にいただく練習用の映像と台本を照らし合わせて、映像に出ているタイム(時間)を台本に書き込むことすら知らなかったくらいなんです。心構えがなってなかったですね。

——役づくりはどうでしたか?
松尾 オーディションのとき、ちょっと声をつくったり、特徴を付けたほうがいいかと思って、そういうふうに演じたんです。何度かアニメにゲスト出演させてもらったときがそうだったので、今回もそのほうがいいんだろうなと思って。でも大地丙太郎監督が「そんなにつくらないでください。もっと普通で」って。それも今までのアニメにないところでしたね。「もっと普通に、松尾さんとしてしゃべってください」と。でも、逆にそれが大変なんですよ。
——そうなんですか?
松尾 コントをやるときって、セリフはキャラをつくって言ってるんです。それもあって、セリフを「普通で」と言われると、何が自分にとっての普通なのかわからなくなってくるんです。そこはアフレコを何度やらせてもらっても、いまだに難しいです。声を張ったりすると、すぐつくった声になってしまう。
——「自然に」と言われると、かえってできないものですよね。しかもロボコは要求されることがとても多い。普通にしゃべるシーンもあれば、パロディもあり、気持ちのアップダウンも激しい。歌うところまである。あの口ずさむ変な歌はどうされているんですか?
松尾 あれはですね、事前にいただく資料映像のVコンテの時点で、大地監督が歌ってるんですよ。僕はそれに沿って歌ってる感じです。
——何と! そんな録り方をされてるんですか。
松尾 基本、そうですね。歌だけじゃなくて、セリフも監督が演じたものが入っているんですよ。ぶっちゃけ、「……もう監督でいいじゃん!」と思っちゃうぐらい、うまい(笑)。演じるときにかなり参考にさせてもらってます。
——大地監督、すごすぎますね……。
松尾 え、そういうものじゃないんですか? これが普通なのかと思った。
——かなり特殊です。
松尾 セリフどころか、効果音まで監督の声で入ってますよ。
——監督みずから役を演じた資料をつくるなんて、大地監督か、新海誠監督ぐらいじゃないかと……。
松尾 そうなんだ〜! あらためて、大地監督はすごいなと思いましたね。
——大地監督からは細かく演技の指示があるんでしょうか?
松尾 最初のほうは多少ありましたけど、そこまで何か細かく言われたりはあんまりないですね。ただ、大地監督が、「ロボコだとここのセリフはこうなると思うんです」とおっしゃるときに、すごくロボコのことが好きなんだなって伝わってくるんですよね。大地監督を通してロボコを見ている、みたいな感覚があります。


TVアニメ「僕とロボコ」より
(C)宮崎周平/集英社・僕とロボコ製作委員会


——松尾さんはロボコのことをどう思いますか?
松尾 やっぱかわいいっすね。何をやっても悪気がなくて。芸人をやっていると、いろんな人のキャラクターを意識するものなんですけど、ロボコを見ていると、「このキャラクターでいけたら、最強の芸人だろうな」って思うんです。理想ですよね。芸人というか、人として。まわりが自然とついてきて、いろいろ優しくしてくれる。
——そんなロボコを演じた経験が、自分の芸人としての活動にプラスになっていることはありますか?
松尾 ロボコももちろん参考になっているんですけど、ガチゴリラとモツオの2人も参考になりましたね。すごく好きなんです。こういう主人公の近くにいる同級生のキャラクターって、普通はいじわるじゃないですか。でもガチゴリラとモツオはめっちゃいいやつ。しかもおもしろい。こういうお笑いをしなきゃダメだなって思います。人をおとしいれて笑いを取るようなのはよくない。時代にも合ってないですし。「何かイヤなことを言いそうで、すっごくいいことを言う」って、めっちゃいいボケだなと思うんで、ちょっとこれから取り入れていきたいなって思ってます(笑)。

プロフィール


TVアニメ「僕とロボコ」ロボコ役、チョコレートプラネット・松尾駿さん


●まつお・しゅん/1982年8月18日生まれ。神奈川県出身。2006年に長田庄平とチョコレートプラネットを結成し、「キングオブコント2014」では準優勝を果たす。声優としてのゲスト出演作は、「デュエル・ マスターズ!!」「映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園」など

【撮影:疋田千里/取材・文:前田久】

■「僕とロボコ」
放送:テレビ東京系…毎週日曜 深夜24:30~

スタッフ:監督…大地丙太郎/監督補…佐藤道拓/シリーズ構成…大場小ゆり/キャラクターデザイン…荏原裕子/プロップデザイン…佐藤よしひろ/美術監督…湖山真奈美/色彩設計…箕輪綾美/撮影担当…谷本玲奈/編集…楫野允史/音響監督…たなかかずや/音楽…安部純、武藤星児/アニメーション制作…ぎゃろっぷ

キャスト:ロボコ…松尾駿(チョコレートプラネット)/ボンド…津田美波/ガチゴリラ…置鮎龍太郎/モツオ…武内駿輔/円ちゅわ~ん…M・A・O/メイコ…平塚紗依/ボンドのママ…三石琴乃/蚊トンボ膝ロボコ…水瀬いのり

☆2023年8月2日(水)、アニメ「僕とロボコ」全28話収録のBlu-rayの発売が決定!
映像特典として、大地丙太郎監督が全話全キャラ全効果音を演じているVコンテも収録!

リンク:TVアニメ「僕とロボコ」公式サイト
    平ロボコ【僕とロボコ公式】🦵@roboco_hizanapa

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