「異修羅」ユノを演じる上田麗奈にインタビュー！　「感情がジェットコースターのよう」

修羅たちによる「最強」×「最強」を描いた壮絶なバトルファンタジー「異修羅」が絶賛放送中！
第１話で平和で希望に満ちたユノの日常は、突然の終わりを迎える。目の前で殺されていく親友を呆然と見つめるユノ。その絶望は「強さへの憎悪」といういびつな形で心に刻まれていく……。そんな難しい役どころに挑んだ上田麗奈さんにお話をうかがいました。

──原作をご覧になり、どんなところに魅力を感じましたか？
上田　最強キャラがこれでもかと登場するんですけど、みんな強さの方向性が違うので、組み合わせによってバトルシーンの味わいが違って全然飽きないんです。そこがとてもおもしろいなと思いました。

──ユノについてはどう感じましたか？
上田　ユノは原作ではそこまでフィーチャーされていなくて、アニメになったことでより存在感を増したキャラクターなんです。ほかのキャラクターたちとは真逆の弱い存在なので、なるべく共感してもらえるキャラクターになればいいなと思ってアフレコしていたんですけど、完成映像を見てみたら、共感だけではないキャラクターになっているなと感じました。

──どんなところがそう感じましたか？
上田　第１話で、感情がジェットコースターのように揺さぶられるんです。カットごとに次々と感情が変わっていくんですけど、実際の尺はすごく短くて、気持ちを切り替えるのが大変だったんです。さらに感情の込め方についても細かいディレクションがあったので、収録はけっこう大変でした。結果として、共感度の高いお芝居というよりは、ユノの激情があらわになった第１話になったのかなと思います。

──冒頭の日常シーンを除けば、ユノはほとんどパニック状態ですよね。
上田　そうなんです。しかもリュセルスとの関係性にしても、これからようやく本心を明かしていくという微妙な段階だったので、まだユノの本性が明らかになる前なんですよね。それなのに、こんなことになってしまって（笑）。

──ソウジロウと出会い、強者を憎むようになるユノですが、気持ちはどうつくっていきましたか？
上田　一度は絶望したユノが未来を生きていくためには、何でもいいから強い気持ちや動機が必要で、それがソウジロウのもつ「強さ」への憎しみになったんだと思います。ユノなりの生き抜くすべであり、泥くさいながらも、どこか意地のようなものを感じました。

──上田さんも共感できる部分がありますか？
上田　ユノのハードな状況とは比較になりませんけど、私もアフレコ前はすごく不安でしょうがないのに、いざやるしかないとなれば、どこかで覚悟を決めるタイプです。意地というか、しぶとさみたいなところはちょっとだけ似ているかもしれません。

──ソウジロウに対してはどんな印象をもちましたか？
上田　ソウジロウが登場した瞬間、ようやく物語が始まった感覚がありましたし、実際に第１話のインパクトのすべてをもっていかれました（笑）。梶（裕貴）さんのお芝居も、たったひと言だけで「この人、絶対強いに決まってる！」って思わせる雰囲気が漂っていて、私も自然と恐怖を感じました。

──では、掛け合いもその流れでごく自然に？
上田　そうですね。とはいえ、第１話の掛け合いはユノ的には完全に圧倒されているので、ほとんど会話にはなっていないんです。逆にソウジロウは落ち着き払っているので、動揺するユノのことばを冷静にくみ取ってくれて、それでかろうじて会話の体になっている気がします。もう、何もかもがユノとは真逆ですね。

──第１話で印象的なシーンを挙げるならどこですか？
上田　ソウジロウが巨大ゴーレムに戦いを挑む際に、余裕たっぷりに「行くか」って言うシーンです。頼もしくもあるけど怖くもあるし、これからすごいバトルが始まるんだっていうワクワク感があって好きです。実際、そこからビューンってすごいスピードで走りだして、あっけに取られました（笑）。あともうひとつは、ゴーレムを倒した後にユノの携行食をムシャムシャと食べるシーンも印象的です。ソウジロウに悪気はないんですけど、ユノとしては何かこう、すべてを踏みにじられている感覚になりました。ここは作画もすごくよくて、見ていても余計につらかったです。

──ほかにも多彩なキャラクターがそろっています。上田さんが気になるキャラはいますか？
上田　たくさんいますけど、まずはダカイです。ソウジロウと同じく異世界から来た人なんですけど、やっぱりすごく自由な考え方の持ち主なんです。私も含めて、世の多くの人は学校や社会のなかでルールに縛られて生きているじゃないですか。彼らの言動って、そういうストレスを吹っ飛ばしてくれる気がして、ついつい好きになっちゃうんですよね。あと、ビジュアルでいえばカーテ一択です。もう「かわいさ」しかないですし、カーテはレグネジィとの関係もステキなんですよね。この２人のやりとりは、個人的には作中一番の癒やしですね。

──ちなみにキャラクターにはみんな二つ名がついていますよね。上田さんにふさわしい二つ名は何だと思いますか？
上田　何だろう？　「ネコ好きの上田麗奈」みたいな（笑）？

──それは、たとえば無数のネコを操れるみたいな能力ですかね？
上田　いえ、むしろいつもネコに操られてます。実際にはネコの下僕ですね（笑）。

──では「ネコの下僕の麗奈」ですね。
上田　めっちゃ弱そう（笑）。まあ、実際に弱いんですけどね。

──見どころについてお聞かせください。
上田　第１話を見ていただければわかるとおり、劇場版クオリティで描かれるバトルシーンはやっぱり最大の見どころだと思います。巨大ゴーレムなんて、すごい質量を感じられる描写で、本気で怖くなったくらいです。ただ、怖いのと同時にそれが病みつきになるような感覚もあるので、「最近刺激が足りてない」っていう方には特にオススメかも（笑）。あと「異修羅」は構成が群像劇になっているので、それぞれのキャラのドラマもしっかりと描かれていくんです。ぜひ自分の推しキャラを見つけてほしいところなんですけど、何しろ本気のバトル作品なので、推しが最後まで生き残るかどうかは保証できないんです（笑）。その場合はむしろ「推しの最期を見届けた！」と、ポジティブにとらえていただいたほうがいいかもしれません。

──ユノ的には今後、どんなところに注目してほしいですか？
上田　第１話ではちょっとゆがんだ形で覚悟を決めてしまったユノですけど、今後はそれがまた揺れ動く場面も出てくると思います。若さや弱さゆえの不安定さがユノの注目ポイントになると思いますので、もどかしく感じたり、応援したくなったり、共感したりと、それぞれ自由な感覚で楽しんでいただけたらうれしいです。

【取材・文：岡本大介】

■TVアニメ「異修羅」
放送：TOKYO MX…毎週水曜 23:00～
　　　BS日テレ…毎週水曜 24:00～
　　　サンテレビ…毎週水曜 25:00～
　　　KBS 京都…毎週水曜 25:00～
　　　メ～テレ…毎週木曜 26:15～
　　　HTB 北海道テレビ…毎週水曜 25:55～
　　　RKB毎日放送…毎週水曜 27:00～
　　　テレビ新広島…毎週水曜 26:00～
　　　ミヤギテレビ…毎週水曜 25:59～
　　　テレビ静岡…毎週水曜 25:55～
　　　テレビ新潟…毎週水曜 26:59～
　　　チューリップテレビ…毎週木曜 26:26～
　　　長崎放送…毎週木曜 25:55～
　　　福井テレビ…毎週土曜 25:15～
　　　琉球放送…毎週月曜 26:19～
　　　山陰放送…毎週月曜 26:00～
　　　IBC 岩手放送…毎週水曜 26:28～
　　　テレビ山梨…毎週水曜 27:00～
　　　あいテレビ…毎週水曜 25:30～
　　　南日本放送…毎週木曜 26:05～
　　　テレビユー山形…毎週土曜 25:58～
　　　AT-X…毎週金曜 22:30～
配信：ディズニープラスにて見放題独占配信

スタッフ：原作…珪素（電撃の新文芸「異修羅」／KADOKAWA刊）／原作イラスト…クレタ／総監督…高橋丈夫／監督…小川優樹／助監督…朝岡卓矢、浅利藤彰、間島崇寛、青柳宏宜／シリーズ構成・脚本…猪原健太／キャラクターデザイン…菊地洋子、高品有桂／モンスターデザイン…反田誠二、飯島弘也／メカデザイン…鈴木勘太／ワールドデザイン…福島達也／美術設定…須江信人、多田周平／背景美術…草薙／美術監督…小倉一男、畠山佑貴／色彩設計…歌川律子／撮影…サンジゲン／撮影監督…井上麻梨／編集…丹彩子、新沼奈美／音楽…得田真裕／音楽制作…KADOKAWA／音響監督…濱野高年／音響効果…中島勝大／音響制作…マジックカプセル／CGアニメーション制作…サンジゲン／アニメーション制作…パッショーネ

キャスト：柳の剣のソウジロウ…梶裕貴／遠い鉤爪のユノ…上田麗奈／星馳せアルス…福山潤／静寂なるハルゲント…大塚明夫／警めのタレン…朴璐美／鵲のダカイ…保志総一朗／夕暉の翼レグネジィ…森久保祥太郎／晴天のカーテ…雨宮天／世界詞のキア…悠木碧／赤い紙箋のエレア…能登麻美子／濫回凌轢ニヒロ…高橋李依／音斬りシャルク…山寺宏一／鎹のヒドウ…岡本信彦／速き墨ジェルキ…子安武人／月嵐のラナ…花守ゆみり／海たるヒグアレ…杉田智和／通り禍のクゼ…三木眞一郎／静かに歌うナスティーク…堀江由衣

リンク：TVアニメ「異修羅」公式サイト
　　　　 TVアニメ「異修羅」公式X（Twitter）・@ishura_anime