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人気ゲームソフトを原作としたアニメ「うたの☆プリンスさまっ♪ マジ LOVE」シリーズの劇場版最新作『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』は、嶺二、蘭丸、藍、カミュの4人からなるQUARTET NIGHTの〝新たなる到達点(ユートピア)〟を全編ライブアニメーションで描く完全オリジナル作品です。その公開スタートを記念した舞台挨拶が、5月11日にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催されました。全国の劇場でもライブ・ビューイングが行なわれ、4人のキャスト陣が本編のネタバレを配慮しながらも熱い愛を語った夜公演の模様をお届けします。
劇場版の公開を待ち望んでいたファンの熱い拍手に迎えられて登壇したのは、寿 嶺二役・森久保祥太郎さん、黒崎蘭丸役・鈴木達央さん、美風 藍役・蒼井翔太さん、カミュ役・前野智昭さんというQUARTET NIGHTのメンバーを演じる4人のキャスト陣。ネタバレが可能だったため、それぞれのソロパフォーマンスに対する具体的な解釈などが語られた昼公演とは異なり、いかに直接的な言及を避けて作品の見どころを伝えるかということで、森久保さんいわく「ポロリしちゃいそうで怖いんです!」という緊張感もありながら夜公演の幕が開けました。
トークは、劇場版の内容にちなんで「ミッション」を遂行していくかたちで展開していきます。最初のテーマは、完成した映像を見ての【First Impression ヲ答エヨ】。先陣を切った蒼井さんの「開いた口が塞がらなかった」という言葉は「あまり良い意味では使わないなあ」というツッコミを呼んでしまいましたが、本人が「すごく良い意味で、です!」とフォローするまでもなく、実際に見た人なら誰もが共感するものだったのではないでしょうか。前野さんは、演出や楽曲の中にこれまでの彼らを彷彿とさせるものがあることに触れ「進化」であり「一つの集大成」であることをアピール。鈴木さんも「最初は混乱から始まるかもしれない」としながら「ただ、それこそ『うた☆プリ』がやってきた歴史そのものだと思います。すごく、攻めている」と力強く伝えます。さらに、森久保さんが「全編、全曲カッコイイ!」と言うやいなや会場中に鳴り渡る賛同の拍手! いつもなら1回目は演技を確認するように見るものの、今作はそんなファンの方たちと同じ新鮮な気持ちで作品を楽しんだそうです。
続く【メンバーカラノ注目ポイントヲ挙ゲヨ】では、お互いに演じるアイドルごとの見どころを語ります。蒼井さんから嶺二について「4人をまとめてくれているリーダーだなと思う瞬間がある」と言われて思わず泣きそうになる森久保さん。「やはりプロだというパフォーマンスを見た。メンバーも心強く感じたはず」と蘭丸を讃えるのは、前野さん。森久保さんは、昼公演で鈴木さんが話していた「蘭丸の変化を感じるふとした仕草」を休憩中に見直して「エモい〜! やめて〜!」と叫びたくなったそう。鈴木さんは、ここまで4人が乗り越えてきたものを感じさせる「ちょっとした表情や合間の仕草がエモい」というムードが全体にある中で、特に「なんで俺、今、泣きそうなんだろう?」となる部分が言語化されているのが藍のパフォーマンスだったと続けます。藍とカミュ、お互いに「登場時のインパクト」を指摘し合う蒼井さんと前野さん。蒼井さんは、これまでにないかわいい曲を完璧に歌いこなす「圧倒的カミュ力」に白旗をあげていました。また、お互いの演じるアイドルたちに向ける尊敬のまなざしが感動を呼ぶ中で鈴木さんと前野さんの蘭丸とカミュを彷彿とさせる小競り合いが始まり、蒼井さんが「それ10分くらいやります?」と呆れれば、森久保さんが「もーっ、時間ないから!」と回収していくという〝ザ・QUARTET NIGHT〟な一幕が当然のように繰り広げられるところも微笑ましかったです。
【QUARTET NIGHTとは ?】は昼公演でも語られたテーマですが、さらにもう一歩踏み込んだ回答が繰り出されていきます。鈴木さんにとって蘭丸は、演じることを超えて、一人の人として向き合っている、いつまでも高め合える存在。蒼井さんは、切り拓いていく存在であり、自分自身も新しいことに挑戦する勇気をもらっていると言います。4人が集まったときの「無敵感」が好きだと語るのは、前野さん。反発しあいながらもステージ上で誰にも負けない絆を見せるQUARTET NIGHTですが「でも、これからも『よし、一緒にメシ行くぞ』というような仲良しにはならないで欲しい」という意見に、鈴木さんもうなずいていました。そんな2人に「仲良くなってもいいんだよ……」とこぼすのは、やはり森久保さん。客席を見回し、自分たちの言葉にぐっときているファンの姿を喜ばしく思いながらも、3人の話を聞いていると自分も〝そちら側〟にいるような感覚に陥るということを「何なの、これ? おかしいよ、この作品!」と混乱しつつ告白します。3人はその様子を面白がりながら、森久保さんが登壇前に「〝来たるべき日〟が来たらガムシャラに頑張ろうか」と話していたことを明かすのでした。
【今後ノ見ドコロヲ伝エヨ】というテーマでは、今回の劇場版が「ライブツアー」形式で描かれているからこその〝お楽しみ〟が語られます。アイドルたちに「聞いた」ところによると、アンコールに何かしら追加されるのではないか、彼らの思いが聞けるんじゃないか、見せてはいけないものが溢れ出すこともあるのではないか……。「そのためには、みなさんの声援が必要です!」と訴えるキャスト陣に、ファンの拍手が頼もしく応えました。
なんとトークだけでなく【協力MISSION】と題したゲームコーナーも! お題を受けたパフォーマーが声と動きで演じ、回答者はそれが何かを当てるのですが……? タブー知らずの大胆な表現力、そして、いざというときには本気で協力しあい、ボケを封じて豪華商品を狙っていくところに「これぞQUARTET NIGHT!」の絆が浮かび、会場は大いに盛り上がりました。
「このライブにはコンセプトがあり、おそらく彼らのいろいろな思いがその中に散りばめられていると感じていますし、それこそが彼らが挑戦したかった〝タブー〟の一つなのかもしれません。そして、グループの軌跡や個々のバックボーンをご存知の方には『これは、こういうことなのかもしれない』と感じられるところもあると思います。ただ、彼らはそのこと自体を把握して欲しいのではなく、パフォーマンスを見て感じたことを大切にして欲しいのではないか……というのが個人的な見解です。いろいろあったグループですが、このメンバーで進んでくれて良かったなと心から思いました。何より誇らしかったのは、みなさまが応援してくれたおかげでQUARTET NIGHTがここまで成長できたことです。お互いに高め合ってきたST☆RISH、HE★VENSにも感謝の思いでいっぱいです」(前野)
「QUARTET NIGHTは、僕にとって〝切り拓くもの〟だというお話をさせていただきましたが、それは迷いがあったり、中途半端な気持ちでできることではありませんし、信じられる存在があってこそのものだと思います。愛を届けてくださっているみなさまは、彼らにとって心から信じられる存在です。そんな愛をお互いに投げ合っていける劇場で、最後まで熱く楽しんでいただきたいなと思います」(蒼井)
「みなさんの応援があって、こうした機会が生まれていることは決して当たり前じゃないなと思っています。僕は彼らに『ついてこいよ』『もっとこういうところに行こうぜ』と言われるたびに、じゃあ自分には何ができるんだろうと考え、歌で、気持ちで返していこうと思います。その全部が詰まっている映画……ライブをぜひ堪能してください。彼らはこの先またどんどん進んでいくので、その姿を見ていただけたら嬉しいです。最上の体験を楽しんでください」(鈴木)
「これほどの年月、僕たちがQUARTET NIGHTと関わることができたのは本当にみなさんのおかげです。あらためて、ありがとうございます。彼らが次の夢を見ることができているのと同時に、僕たちも次の夢を見ることができます。それも、みなさんの応援、声援、そして愛のおかげだと僕らはいつも感謝しております。引き続き、QUARTET NIGHT、そして『うたの☆プリンスさまっ♪』を大きな愛で包んでくださったら幸いです」(森久保)
キャスト陣も劇中のツアー同様にエリア別の舞台挨拶を行うことが発表され、全国を股にかけて巻き起こるカルナイ旋風に期待がふくらんだこの日。さらに、トーク中にふれた「来たるべき日」――。まだ予定はないものの「僕らはいつでも準備ができているので!」と、 4人にもこのライブをステージで表現したいという〝夢〟があることを伝えた森久保さん。会場を揺らすほどに湧き上がる歓声は、ファンにもまた新たな希望が生まれたことの証でした。
【取材・文:キツカワトモ】
■「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX」
●公開中
©UTA☆PRI MOVIE T N PROJECT
リンク:「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX」公式サイト
アニメ「うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE」シリーズ公式X(Twitter)・@utapriMAJILOVE