「BanG Dream! Ave Mujica」三角初華/ドロリス役など、声優としても注目を集める佐々木李子さんがランティスからの第2弾シングルをリリース! TVアニメ「日本へようこそエルフさん。」のオープニング主題歌となる表題曲「Palette Days」は、同作の心温まる物語の幕開けにふさわしい、希望にあふれたミディアムバラード。そんな佐々木さんのインタビューを前後編でお届けします。前編では表題曲のレコーディング時のエピソードやMVについてお聞きしました。
優しくて希望あふれる感じがオープニングにぴったり
――「Palette Days」を最初に聴いたときの印象はいかがでしたか?
佐々木 心がぽかぽかと温まるような楽曲で、「日本へようこそエルフさん。」の幻想的な雰囲気も感じられる楽曲だなと思いました。目の前が開けていくような感じで、冒険したくなる部分もありますし、日常の何気ないことも輝いて、それがどんどん重なって愛を知っていくというサビの歌詞も心に響きました。
――アニメのオープニング曲というとアップテンポな楽曲というイメージがありますが、この曲はそうではないですね。
佐々木 私もオープニングだったらもっとテンポが速い曲かなと思いつつ、ミディアムバラードのような楽曲でびっくりして。でも、優しくて希望あふれる感じがぴったりだなと思いましたね。オープニングの映像にも四季折々のすてきな場所とか、おいしい食べ物とかもたくさん出てくるので。
――オープニング映像は歌詞に合わせた絵が描かれています。
佐々木 たしかに「味見して」のところはおいしそうな表情があったりして、歌詞の言葉をつなげてイラストにしていただいているような、より歌が入ってくるようなものになっていて感動しました。日本っていいなあって、改めて思えるというか。最近はずっと携帯ばかりいじっちゃうことも多いんですけど、もうちょっと自然の音に耳をすませたり、空を眺めたりしようという気持ちになりましたね。
――レコーディングではどんなことを意識されていましたか?
佐々木 楽器の音を意識しながら歌いました。最初に聴いたときはたしかピアノの音がメインで、ギターとかそこまで印象的ではなかったんですけど、いろいろブラッシュアップしていくなかでドラムだったりギターだったり旅する感じがより表現されていったので、そういう細かいフレーズごとで変わる楽器の音に注目しながら歌ったんです。そのなかで自分らしさも出したかったので、ちょっと力強いところも入れたり、エネルギッシュに気持ちが弾むような感じも入れたりして、自由に歌わせていただきました。
――力強さが佐々木さんの自分らしさなんですね。
佐々木 のびのびと歌いたいなと思ったので。1枚目のシングル「Windshifter」のときはランティスさんから初めて出させていただくCDというのもあって、いろんな方に「どんな感じで歌ったらいいですかね?」って聞いた気がしていたんですけど、今回は自分の想像力などを大切に、のびやかに歌いました。
――最初に「Palette Days」を歌うことが発表されたときには、ご自身の公式サイトなどで「カラフルな景色を冒険している気持ちで歌いました」とコメントされていました。
佐々木 レコーディングのときもレコーディングしていると思わずに、いろんな景色を思い浮かべて。きれいな場所や、思い出など、そういうものを想像しながら歌いました。たとえばBメロの「味見して、驚いて」のところは好きな食べ物を思い浮かべていたりしますし、最近の自分はアウトドア派なので、ひとりでいろんな場所に旅をしに行くこともあるんですけど、そのときのことを思い出しながら歌いましたね。
――どんなところに行かれるんですか?
佐々木 隙あらば家から出るんですけど、最近だとひとりで伊豆にあるiZooという爬虫類がたくさんいる動物園に行って、見たことないようなトカゲとかワニとか見に行ったりしました。特に目的もなく、知らない町を散歩するのも好きなので、浅草付近とかをよく歩いたりもしますね。あとは世界中いろんな場所に行ってみたいという気持ちが最近より強くなってきたので、去年は中国に2回くらい行ったのですが、今年もいろんな場所に行ってみたいなと。お仕事でも行きたいですし、プライベートでも行きたいなと思っています。
MVでは心からおいしい!という表情ができた
――「Palette Days」のMVがまさに旅をしている映像になっていますね。
佐々木 「日本へようこそエルフさん。」にちょっと寄り添って、白い衣装を着ているときはエルフさんイメージで選んでもらったんですけど、自然の広大な場所で、木漏れ日とかを感じながら表現しています。私服衣装のシーンは電車に乗って旅をしている感じで、作品自体も異世界と現実世界を行ったり来たりするお話なので、そこもちょっと近づきながら、想像しながら撮っていただきました。
――撮影はどちらで行なわれたんですか?
佐々木 栃木県の塩谷郡で、去年の秋くらいですかね。ちょうど紅葉がきれいな時期で、天気も晴れで、結構寒かった記憶があります。最初に外での撮影から始まったんですけど、エルフさんをイメージした衣装が薄手だったので表情に出ないようにして、カメラが止まったら震えるという(笑)。そこは頑張って撮りましたし、あとは電車に乗って福島方面まで。車内でも撮影をしたんですけど、そこはもう乗り遅れたら終わりという。
――電車の本数が少ないから、乗り遅れたらかなり待たないといけなくなる?
佐々木 そうです。しかも、トンネルが多い路線だったので、何分後にトンネルに入るかなど細かく時間を調べてくださって、トンネルを出たら撮影がスタートするという。ほぼ一発撮りだったので、スリルを感じながら撮影したのも楽しかったです。
――なかなかプレッシャーのかかる撮影だったみたいですね。
佐々木 そこはもう失敗できないぞ!という。でも、重要なシーンが詰まっていたりもしたので。お弁当を開けたり、山々がバッて出てくる瞬間を眺めたり、あとお茶を飲んでむせるとか。そこは気合いを入れて、気持ちを落ち着かせながら頑張りました。
――お弁当がMVの中でもキーアイテムになっているという。
佐々木 コミックスの表紙だったかな? イラストにも載っていたお弁当をほぼ再現してくださって、桜でんぶで色鮮やかに、たこさんウィンナーとかもありました。私は桜でんぶを食べたことがなくて味が想像できなかったんですけど、そのお弁当がすごくおいしくて、自然な笑顔になれました。心からおいしい!という表情ができたなと思います。
【取材・文:仲上佳克】
■佐々木李子「Palette Days」
発売日:2025年2月26日(水)
発売元・販売元:株式会社バンダイナムコミュージックライブ
価格:アーティスト盤[CD+Blu-ray] 3300円(税込)/アニメ盤[CD] 1650円(税込)
リンク:佐々木李子オフィシャルサイト
佐々木李子X(Twitter)・@sasakirico
TVアニメ「日本へようこそエルフさん。」公式サイト