LDHの新世代プロジェクト「iCON Z」からデビューしたKID PHENOMENONの6枚目のシングル「Black Flame」は、活動3年目となる彼らにとって新しい表現に挑んだ新曲。TVアニメ「転生悪女の黒歴史」のオープニング主題歌となったこの楽曲に7人が込めた思いとは? 黒い炎の中で燃え上がる、彼らのことばをうかがいました。
――KID PHENOMENONの6枚目のシングル「Black Flame」はTVアニメ「転生悪女の黒歴史」のオープニング主題歌です。改めてこの楽曲に込めた思いをお聞かせください。
夫松 KID PHENOMENONとしては、毎回のシングルごとに新しい僕らの表現を届けていきたいと思っています。今回の6枚目のシングルでは、オトナっぽさも少し出しつつ、ダークな一面を見せていきたいなと。アニメの世界観に合わせて強めのダークさを意識したシングルになっています。僕らもパフォーマンスをするときの表情であったり、歌うときの声色であったり、いつもと違った一面を出せたと感じていますし、メンバーそれぞれも新しいキャラクターを見つけられたシングルになっているんじゃないかなと思います。
――KID PHENOMENONはメンバー全員がマイクをもってパフォーマンスをするグループですが、今回の「Black Flame」にはどのように臨んだのでしょうか。
遠藤 「Black Flame」は妖しくダークな世界観がすごくつくり込まれている曲なんです。自分の奥底にある欲求を「Black Flame」とたとえているんですよね。この楽曲に寄り添うように、僕らもより妖しく、より美しくアプローチしていきたいと思って、研究したうえでレコーディングに臨みました。
山本 シンプルなビートで歌もメロディアスなので、今までのKID PHENOMENONにはなかった新しいスタイルの楽曲だなと思いました。自分はサビ頭を歌っているんですけど、世界観をしっかりと意識してレコーディングしましたね。
佐藤 アニメのタイアップということで、いつものシングルに比べてかなり前から準備をしていた楽曲でもあるんです。何度もデモを歌わせていただいて、そのたびに自分たちで歌い方を変えていったんです。僕は今回、長いパートを担当させてもらっているんですけど、この楽曲の中でこの世界観をどうやって表現するかをすごく考えさせられました。「転生悪女の黒歴史」という作品の世界観を、自分たちでよりキャッチーに表現していきたいなと。アニメファンの皆さんにも作品の世界観を伝えることを意識してレコーディングしています。
川口 自分たちが楽曲をいただくときは、歌割りが決まっていないんですよ。レコーディングのときに、メンバー全員が一曲をまるごと歌って、クリエイターの皆さんに聴いていただいて。楽曲のフレーズごとに一番ハマっている人が、そのフレーズを担当するというやり方をしているんです。そうやって歌割りを決めているので、歌う順番の入れ替わりがかなり激しいところもあるんですが、僕たちの個性をすごく尊重してフレーズを決めていただいているので、それぞれの個性が光っていて、楽しめる楽曲になっているんじゃないかと思います。
岡尾 僕は2番の始まりのフレーズを歌っているんですが、1番の歌から雰囲気がガラッと変わる大切な部分だったので、自分でも試行錯誤をしながらレコーディングをしました。今まで自分が歌ったことのないような歌い方をしていて、かなり苦戦したんですが、あえてリズムにハメないような雰囲気のある歌い方ができたなと思います。
鈴木 自分は担当しているパートが点々としているので、そのフレーズの空気感に合わせることを意識していきました。楽曲としての統一感を大事にしようと思ってレコーディングした感じです。
――今回の曲は「転生悪女の黒歴史」のタイアップとなっていますが、アニメのオープニング主題歌を務めることはどんなお気持ちでしたか。
夫松 僕たちは以前、「存在証明」という楽曲で「るろうに剣心 ―明治剣客浪漫譚―」のエンディングテーマを担当したことがあって、そのときもものすごくうれしかったんですけど、今回は「転生悪女の黒歴史」のオープニングということで、作品を象徴する楽曲になるということは責任重大だなと思っていました。この作品だからこその表現にチャレンジをしないといけないなと。たとえば、僕のパートだと、いつもはしないような声色で歌ってみたりして。新たな僕の姿や新たなKID PHENOMENONの姿を見せていきたいと思っていましたし、実際にオンエアが始まってからは、より多くの方々に聴いていただけているようですごくうれしかったです。
――ちなみに、KID PHENOMENONにはアニメ好きの方はいらっしゃいますか?
夫松 たぶん蒼真(川口)と……瑠偉(鈴木)がアニメ好きですよ。
川口 そうですね。僕はアニメの「呪術廻戦」もめちゃくちゃ好きですし、ほかにも……「チェンソーマン」も。原作の漫画から読んでいて、劇場版「チェンソーマン レゼ篇」も映画館へ見に行きました。ただ、個人的に一番好きな作品は「ジョジョの不思議な冒険」です。
――「ジョジョ」は新作が2026年にオンエアになりますね!
川口 「ジョジョの奇妙な冒険」第7部「スティール・ボール・ラン」ですね。すごく楽しみにしています。
鈴木 僕は一作に絞ると……「ブルーロック」が大好きです。アニメはハマらないと流し見しちゃうタイプなんですけど、ハマると夢中になる。今は「ブルーロック」にハマっていて、ずっと好きって感じです。
――アニメのオープニング主題歌となると、オンエアのときにアニメのオープニング映像が制作されます。オープニング映像をご覧になっていかがでした?
遠藤 最初は自分たちの楽曲「Black Flame」と「転生悪女の黒歴史」がどのように融合するのか想像がついていなかったんです。でも、オンエアを見たら、アニメのスタッフの皆さんが僕らの楽曲をしっかりと聴いてくださって、楽曲に合わせた映像をつくってくださった。自分たちのやり方で正解だったんだなと改めて思いました。僕らもTVアニメ「転生悪女の黒歴史」に寄り添いたいと思っているし、アニメのスタッフの皆さんも楽曲「Black Flame」に寄り添おうとしている。その関係がすごくステキだなと思って。このような機会をいただけて本当にありがたかったです。
【取材・文:志田英邦】
■KID PHENOMENON 6th Single「Black Flame」
発売中
リンク:KID PHENOMENONオフィシャルサイト
KID PHENOMENON公式X(旧Twitter)・@_KID_PHENOMENON
TVアニメ「転生悪女の黒歴史」公式サイト