舞台

高橋李依&太田夢莉! 舞台「地獄楽」アニメ×舞台 キャスト対談


賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)原作による「地獄楽」。2023年4月にはTVアニメ化も果たし、国内外問わず多くのファンを魅了している。舞台「地獄楽」はTVアニメ化に先がけ、2023年2月に第1弾を上演。約1年の時を経て、舞台「地獄楽-終の章-」として、物語の完結までを描く“最終章”の公演を東京・大阪にて開催した。
その東京公演の千秋楽前日・終演直後に、アニメ・舞台それぞれで杠役を演じる高橋李依さんと太田夢莉さんによる夢の対談が実現しました!



──高橋さんは、昨年上演された舞台第1弾も鑑賞されているのですよね。当時もとてもあたたかい感想をSNSでいただいておりました(当時のXの投稿)。
高橋 はい! 第1弾から本当に素晴らしい舞台で……!
太田 SNSでご観劇いただいたという投稿を見て、うれしい気持ちと同時に、どう思われたのだろうとすごく気になっていたんです。「全然違うな」と思われたかもしれないって(笑)。
高橋 いやいや、そんなことあるわけない!(笑) 観劇の興奮冷めやらぬまま、皆さんがどんなことを語っているか知りたくて、パンフレットも買いました。


アニメ「地獄楽」より、高橋李依さん演じる杠
(C)賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA


──そんな第1弾に続き、今作の舞台「地獄楽-終の章-」を鑑賞されていかがでしたか?
高橋 あっという間の2時間15分でした! もともと、舞台や、2.5次元の世界に落とし込んだお芝居を受け取るのがすごく好きだったので、ステージではどのように「地獄楽」の世界が描かれるのだろうと、第1弾の時と同様、とても楽しみにしていました。全てのシーンをポストカードにして収めたいくらい、とにかく名場面の連続でした。全てが記憶に美しく刻まれる、そんな素晴らしい舞台です。
太田 わぁ~、とてもうれしいです……! ありがとうございます!

──太田さんは第1弾を終えて、そしてアニメ「地獄楽」を観て、杠や「地獄楽」に対しての印象に何か変化などはありましたか?
太田 第1弾はアニメ放送前だったので、キャストのみんなが「自分の演じたものが、アニメで全然違っていたらどうしよう」という不安のなか、探り探りやっていました。とくに杠は、色気と飄々としたバランスがすごく難しくて。演出の加古臨王さんに、「もっと自然にやっていい」と言われたときも、なかなか掴めなかったんです。でも、アニメ「地獄楽」で高橋さんのお芝居に触れて、「こういうことか!」と勉強になり、杠をより深く理解することができました。なので、今回はとてもやりやすかったです。
高橋 逆に、私もアニメの前に第1弾を観させてもらえたのが、すごくよかったなと思っていて。アニメのアフレコって、まだ画が完成していない状態で収録することが多いんですよ。それこそ、色もまだついていない状態で。
太田 知らなかった、そうなんですね!
高橋 だから舞台で、杠と仙汰にとって大事なシーンをやっていただけたことで、私の中でしっかりと色付けられたと言いますか。1クールのアニメを走るうえで、この舞台がひとつの指標になっていました。


舞台「地獄楽ー終の章ー」より、太田夢莉さん演じる杠
(C)賀来ゆうじ/集英社・エイベックスピクチャーズ


──すてきな関係性ですね。舞台「地獄楽」で印象に残っているシーンはございますか?
高橋 うわ~、もう本当に全部が記憶の中にポストカード(名場面集)として残っているので、選ぶのが難しいのですが……。やっぱり意識的に目で追っちゃうのは杠ですね。第1弾の、杠と仙汰のラストシーンは今でも鮮明に覚えています。原作通りの情景が目の前で再現されていて、仙汰を優しく抱き留める姿がとても印象的でした。今作では、アクションシーンもかなり多いと思うのですが、特に舞台ならではだと感じたのは、倒れていった仲間を感じながら戦うところ。シンクロアクションと言うのでしょうか、まさに共に戦っている実感が胸を打ちますし、アニメとはまた違った表現方法で印象に残っています。


舞台「地獄楽ー終の章ー」より
(C)賀来ゆうじ/集英社・エイベックスピクチャーズ


──太田さんのおすすめシーンを教えてください。
太田 自分の出演シーンではないのですが、士遠先生の「大切な者が失われる時でさえ、正しさを選んだ自分が、許せないんだ。」というセリフ。そこのシーンがすごく感動するんですよ。
高橋 うんうん!
太田 正しさが正しいわけではない、正しさを選んだからこそ悔いてしまうところは、誰しも当てはまる言葉のような気がします。
高橋 そこ、めっちゃ泣きました! あの後悔の念がダイレクトに伝わってきて、涙が止まらなくて。というか、大事なシーンはずっと泣いてしまって……(笑)。まず、冒頭で第1弾の内容をダイジェストでやるのですが、そこからグッときていました。第1弾で脳内に焼き付けたポストカード(名場面集)を見返しているような感覚で、物語がどんどん蘇ってきて……。第1弾から、結構期間はあきましたよね?
太田 そうですね、約1年かなと。
高橋 そう思えないくらいの感覚に呼び戻されました!
太田 お話がすごいスピードで進んでいくので、演じる側としては、「これってちゃんと伝わるのかな?」と不安に思うこともあったんですよ。でも、そんなに芯の芯まで観てくださっていて……ありがたい気持ちしかないです。
高橋 確かにスピードはあるんですけれど、言葉がちゃんと届くんですよ。それはきっと演者の皆様の熱量や、舞台のセット、演出だったりの工夫がきっとあるからだと思うのですが……!
太田 加古さんの演出は、舞台の1階と2階、それぞれで物語を同時進行することが多いですけれど、わかりやすいですよね。高橋さんにそう言っていただけて、キャストもスタッフも全員喜びます!


舞台「地獄楽ー終の章ー」より
(C)賀来ゆうじ/集英社・エイベックスピクチャーズ


──高橋さんは、舞台をご覧になって参考になった部分や、新しい発見などはありましたか?
高橋 太田さんのお芝居を観ながら思ったのは、杠って下半身も大事な子なんだなということ。下半身はいつでも逃げられるような軽い状態でありながら、目では状況を多角的に判断しようとしている……。雰囲気は軽いのに、肝が座っているというか、全身で見たときに杠の“表面上のところ”と“本質のところ”が、各部位で構成されているのだなと感じました。
太田 めちゃくちゃよく見てくださっていますね……。
高橋 今回の新たなスリットの衣装も、すごく杠のらしさが本当に詰まっていて! とくに足の角度が、本当にもう美しくて……!!
太田 足の角度!(爆笑)
高橋 すみません、私、言語力がオタクになっちゃって(笑)。

──太田さんは、舞台で杠を演じるにあたって、どのようなことを意識しているのですか?
太田 漫画やアニメだと、杠がサラッと言っていることが印象に残ったりするのですが、舞台になってSEや音楽が入ってくると、サラッと言うとあまり伝わらないんですよ。サラッと言うところの杠らしさと、舞台であることを意識する、そのバランスがすごく難しかったです。

──では、高橋さんはどのようなことを意識して、アニメの杠を演じられているのでしょうか?
高橋 私は杠をすごくカッコいい子だと認識していたんですよ。なので、最初のアフレコでも、カッコよさを出し過ぎてしまって。そうすると、佐切と雰囲気が似てしまうんですよ。覚悟の決まり方とか、まじめなトーンとか。だから、その感情をオーバーに覆い隠す方向で、自分の中ではずっと足し算をするようなイメージで演じていました。本当にある杠の軸を見せるのはもっと先で、それまでは声の波や表現で隠し続けていましたね。


アニメ「地獄楽」より
(C)賀来ゆうじ/集英社・ツインエンジン・MAPPA


──アニメは放送終了しましたが、第2期の制作が発表されました! そして、現在は東京アニメセンター in DNP PLAZA SHIBUYAにて企画展「アニメ地獄楽の世界」が開催中です。高橋さん、ぜひ見どころを教えてください。
高橋 まずは、映え映えおじさん活造り、ですかね……!(笑)
太田 (笑)。
高橋 物語の冒頭で船に運ばれてやってくる、花化したモノが展示されているんですよ。あれをどうやったら、地獄楽らしいフィルターで撮れるか、こだわりがいがあると思います。皆さんもぜひ撮ってみてください!



──最後に「地獄楽」のファンの皆さまにメッセージをお願いします。
高橋 観たほうがいい!!
太田 勢いがすごい(笑)。
高橋 いや、もう本当に観たほうがいいです。私は舞台、漫画、アニメとさまざまなカルチャーを好んでいますが、この舞台「地獄楽」はどの層のファンも楽しめる、本当にクオリティの高い舞台です。原作やアニメを履修したという方をはじめ、漫画原作の舞台に初めて触れる方にも、自信をもってオススメしたいです。
太田 アニメも舞台も、どちらも本当に生と死をかけて演じております。舞台は今回から新キャストも加わりまして、さらにパワーアップしてお話がすごいスピードで進んでいきます。その勢いに置いていかれないように、皆さんお楽しみいただければいいなと思います。25日(日)23:59までは東京・千秋楽の見逃し配信もありますし、23日(祝・金)より開幕する大阪公演もまだ控えております。賀来ゆうじ先生が描かれたこのすてきな作品を少しでも多くの方に知っていただいて、そして舞台を観ていただけたらうれしいです。


舞台「地獄楽ー終の章ー」より
(C)賀来ゆうじ/集英社・エイベックスピクチャーズ


【取材・文:新庄 圭/撮影(舞台写真):高田 梓】

■舞台「地獄楽ー終の章ー」
東京公演:2024年2月15日(木)~18日(日) シアター1010
大阪公演:2024年2月23日(金)~25日(日) クールジャパンパークTTホール

キャスト:画眉丸…木津つばさ/山田浅ェ門 佐切…白本彩奈/亜左 弔兵衛/…佐奈宏紀/山田浅ェ門 桐馬…田淵累生/杠…太田夢莉/山田浅ェ門 士遠…中村太郎/ヌルガイ…吉浜あずさ/民谷 巌鉄斎…郷本直也/山田浅ェ門 付知…宮崎 湧/山田浅ェ門 殊現…小南光司/山田浅ェ門 十禾…松田 岳/シジャ…櫻井圭登/メイ…澤田理央・高乘蒼葉(Wキャスト)/天仙…佐々木喜英、立道梨緒奈/アンサンブルキャスト…藤原儀輝、小林聖尚、福島悠介、小川丈瑠、栁原華奈、市川絵美、岡本真友、山田美貴、中込 萌、中野紗耶可、岩見柾孝

スタッフ:原作…「地獄楽」賀来ゆうじ(集英社 ジャンプ コミックス刊)/演出…加古臨王/脚本…Spacenoid Writers’ Room(月森葵、野ノ栖千晶、会沢青)/主催…エイベックス・ピクチャーズ

☆会場窓口にて当日券・リピーターチケット発売中! 各プレイガイドにて会場チケット発売中!
チケットぴあ:https://w.pia.jp/t/jigokuraku-stage/
イープラス:https://eplus.jp/jigokuraku-stage/
ローソンチケット:https://l-tike.com/jigokuraku-stage/
(Lコード:東京 32191/大阪 51625)

☆東京・千秋楽公演 見逃し配信は25日(日)23:59まで!
●視聴期間
アーカイブ視聴期間:各公演開始 ~ 2023年2月25日(日)23:59
特典映像視聴期間:2023年2月18日(日)22:00~2月25日(日)23:59

●販売期間
2024年2月9日(金)18:00 ~ 2024年2月25日(日)21:00

●配信チケット価格
・12:00公演配信チケット:4,400円(税込)
・16:00公演配信チケット:4,400円(税込)
・特典映像(稽古メイキング映像)+全景映像付き通しチケット:8,600円(税込)

●チケット購入
イープラス: https://eplus.jp/jigokuraku-stage-st/
チケットぴあ: https://w.pia.jp/t/jigokuraku-stage/
ローソンチケット: https://l-tike.com/jigokuraku-streaming/
ミクチャ: http://jigokuraku-stage.mixch.tv/

☆企画展「アニメ地獄楽の世界」開催中!
本企画展では、作品の名シーンを追体験できる展示や、本作の原画や中間制作素材など、貴重なプロダクト資料もご覧いただけます。また、大日本印刷株式会社(DNP)によるコンテンツインタラクティブシステム「みどころキューブ」を通して、アニメ制作陣の貴重なコメントや解説などを日本語と英語の二つの言語で楽しめる新しい鑑賞体験を提供します。また、水墨絵師・じんかい氏が描き下ろしたキービジュアルをDNPデジタル高精細複製「伝匠美」を活用し制作した特別展示物を紹介します。
会期:2024年2月2日(金)~2024年3月10日(日)
休館日:年中無休(施設点検日/展示入替日などで休館の場合あり)
開催時間:土日祝 10:00~20:00(展示最終入場19:30)
     平日 11:00~20:00(展示最終入場19:30)
入場料:前売券 一般1800円(税込)
    当日券 一般2000円(税込)
主催:大日本印刷、MAPPA
特別協力:賀来ゆうじ、集英社、ツインエンジン
公式サイト:https://tokyoanimecenter.jp/event/anime_jigokurakuexhibition/

☆TVアニメ「地獄楽」ポップアップショップ 東京・大阪・愛知・福岡にて開催中!
仮面舞踏会風にドレスアップした画眉丸、佐切、杠、亜左兄弟の描き下ろしイラストを使用した公式オリジナルグッズ等が販売されます。開催は2024年2月17日(土)〜2月29日(木)、会場は西武新宿ぺぺ、大阪京阪モール、名古屋近鉄パッセ、博多マルイの4店舗です。
公式サイト:https://www.pripricafe.com/event/cafe/jigokuraku_pop.html

リンク:舞台「地獄楽ー終の章ー」
    アニメ「地獄楽」公式サイト

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