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TVアニメ「デート・ア・ライブV」五河琴里役・竹達彩奈×鳶一折紙役・富樫美鈴対談 「琴里はまるでお母さん」

好評放送中のTVアニメ「デート・ア・ライブV」。本作の中盤で、琴里に大きな衝撃が襲いかかります。すべての精霊を生み出すきっかけとなった“始原の精霊”が、〈ラタトスク〉の解析官で、琴里をサポートした村雨令音だった……。裏切られた悲しみに流されることなく戦いに挑む琴里を演じる竹達彩奈さんと、そんな琴里と第1期から浅からぬ関係があった鳶一折紙役の富樫美鈴さんにお話をうかがいました。


©2023 橘公司・つなこ/KADOKAWA/「デート・ア・ライブⅤ」製作委員会


――第5期「デート・ア・ライブV」制作決定を知った時のお気持ちを教えてください。
竹達 先の展開が決まっていることにまず驚きましたし、うれしかったです。続きがあるとわかっているからこそ、琴里としての気持ちを途切れさせることなく次作へと向かえるのでよかったなと思います。
富樫 わかります! 気持ちをずっと保ちつづけていられるのは、演技にとってプラスになります。演者としても一ファンとしても、続きを映像化してほしいという気持ちがあったので、とてもうれしかったです。

――シリーズ初期からかかわりある琴里と折紙ですが、2人の関係性にどのような変化を感じますか?
竹達 初期の琴里からすると、折紙は得体の知れない"ヤバイ人”でした(笑)。でも、折紙が精霊であることがわかり、また、仲間としてもいっしょに行動して距離が近づいてくるようになると、だんだん折紙のありのままを受け入れられるようになった気がします。折紙の奇抜な行動に対してツッコミは常に入れていますが、そのツッコミが愛のあるものに変わりました。まるで母に近い気持ちですね(笑)。
富樫 先日、第1期を見直す機会があったのですが、とても驚きました。〈イフリート〉である琴里を親の仇だと勘違いし、これほどまでに恨みの感情をもっていたんだなって。それが今では、信頼関係を結べるようになりました。私が感動したのは、第3期で折紙が琴里のことを「琴里」と呼んだこと。フルネームで呼んでいたころから比べると距離感が近くなりましたし、チームの一員にもなれたとうれしかったですね。


©2023 橘公司・つなこ/KADOKAWA/「デート・ア・ライブⅤ」製作委員会


――お互いの演じるキャラクターについて、どんなところに魅力を感じていますか?
竹達 どこにいても、何をしていても変わらずに自分のスタイルを貫き通すところです。どんなにシリアスなシーンでも、シリアスになりきれないのは芯が通っているなと(笑)。士道へのどこまでも屈託のない愛情は、折紙にしかできない表現だなといつも感心しています。
富樫 本当にブレないんですよね。ほかの作品を見渡しても、ここまで一貫性があるキャラクターはなかなかいません。
竹達 過去を改変したときに現われたおしとやかな折紙もかわいくて心がときめいたのですが、あの折紙が戻ってこなかったら寂しいなとずっと思っていました。すべてが解決して、肉食系の折紙が帰ってきたのはうれしかったですね。
富樫 そのお言葉はたくさんいただきました(笑)。

――富樫さんはいかがですか?
富樫 琴里は〈ラタトスク〉の仕事に対してずっと真剣で、どんな状況も乗り越えようと強い意志を見せています。そんな姿もステキですが、ふと見せる弱い部分がすごくかわいく感じています。第1期のクライマックスで琴里が言った「お兄ちゃん、大好き」のセリフなんてかわいすぎて、おちない人がいないと思うようなシーンでした(笑)。
竹達 折紙との思い出だと、第4期でバレンタインのチョコレートをつくったエピソードが印象に残っています。折紙を交えて精霊たちとワイワイとクッキングをするのも楽しかったのですが、折紙が作ろうとしたのが自分の全身像であることが衝撃的で。自分で身体の型を一生懸命にとろうとしていたのかと思うと、愛おしくなりました(笑)。
富樫 そのシーンは私も印象的です。ふだん、精霊といっしょにいるときにはしっかりとしていようとする琴里ですが、お菓子作りに関しての知識はまったくなくて。そこでテンパったり、空回りしたりする姿がかわいかったです。

――「V」では、狂三の復讐劇が中心に描かれています。狂三はどんなキャラクターだと感じていますか?
竹達 狂三は味方ではないけれど、かといって敵とも言い切れないつかみどころのないキャラクターでした。だからこそ、時折見せる普通の女の子っぽいところにドキッとします。例えば、ネコが好きで、士道とのデートではネコをモチーフにしたお弁当に夢中になったり。そんなギャップがずるいほどかわいくて、人気が出るのはよくわかりますね。
富樫 圧倒的な存在感ですよね。分身体が影や地面から出てくる様子や、ミステリアスな姿は完全に敵としか思えず、目的も謎のままでした。でも、徐々に彼女の目的が明らかになるにつれ、そのミステリアスさが孤高へと印象が変わっていって、すごくかっこいいなと思うようになりました。


©2023 橘公司・つなこ/KADOKAWA/「デート・ア・ライブⅤ」製作委員会


――令音がファントムだと発覚したときの感想を教えてください。
竹達 実は、現場では第1期からその噂がありました。士道役の島﨑信長くんが原作の大ファンで、小説を何度も読み込んだ末に、じつは令音さんじゃないかと仮説を立てたんです(笑)。だから、やっぱりそうだったのねという感じでした。ただ、琴里としてはショックだったと思います。〈ラタトスク〉では片腕のように頼りにしていた存在なのに、実は自分を精霊にした張本人だったなんて……。
富樫 私もショックでしたね。インタビューなどで推しキャラクターを聞かれると、ずっと「令音さん」と答えていました。竹達さんと同じく、もしかしたら令音さんがファントムなのかなと感じつつ、良い意味で気配を消すのがうまくてキーマンの雰囲気がなくて。もしかしたら、本当のファントムは別の人物かと期待していたのですが、裏切られましたね。
竹達 そういえば、思い出した。初期に、今から思えばファントムのセリフがあったのですが、それを遠藤綾さんが担当していたんです。実は、キャストにはその時点でネタバレしていたんですね(笑)。
富樫 そうでした!

――発覚時、琴里を演じる竹達さんのお気持ちを教えてください。
竹達 令音は〈ラタトスク〉の仲間であり、家族同様に大切な人でした。「デート」に関しては、原作を読まないで役に当たるスタンスでずっと臨んでいて、だからこそ琴里のショックに寄り添って演じることができたと思います。でも、そのショックを隠して、司令官として琴里は気丈に振る舞います。そんな切り替えが瞬時にできる琴里はすごく強いと思いますし、同時に、演技のうえでは苦労したポイントでした。

――クライマックスに向けて盛り上がる「V」ですが、最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
竹達 今後、毎回がクライマックスと言えるほど濃密なドラマが展開されます。そんななかで、みんなが知りたかった事実が明らかになると思いますので、ぜひお楽しみください。
富樫 第5期まで演じさせてもらえるのは、皆さんの応援があるからです。その期待に応えるように、これまでの伏線が回収され、または、予想を裏切られる気持ちよさを楽しんでもらえると思います。気持ちをもっていかれすぎないように気をつけつつ、スリリングな展開をまるごと楽しんでもらえたらうれしいです。

【取材・文:星政明】

■TVアニメ「デート・ア・ライブ V」
放送:AT-X…毎週水曜 23:30~ ※リピート放送あり
   TOKYO MX…毎週水曜 25:00~
   BS11・KBS京都・サンテレビ…毎週水曜 25:30~
配信:dアニメストアにて地上波先行・単独最速配信中
   ※その他の配信サイトでも順次配信

スタッフ:原作…橘公司(KADOKAWA ファンタジア文庫刊)/原作イラスト…つなこ/監督…中川淳/シリーズ構成…志茂文彦/キャラクターデザイン…中村直人/音響監督…えびなやすのり/音楽…坂部剛/音楽制作…日本コロムビア/アニメーション制作…GEEKTOYS

キャスト:五河士道…島﨑信長/夜刀神十香…井上麻里奈/鳶一折紙…富樫美鈴/五河琴里…竹達彩奈/四糸乃…野水伊織/時崎狂三…真田アサミ/八舞耶倶矢…内田真礼/八舞夕弦…ブリドカットセーラ恵美/誘宵美九…茅原実里/七罪…真野あゆみ/本条二亜…生天目仁美/星宮六喰…影山灯/崇宮澪…遠藤綾

リンク:アニメ『デート・ア・ライブV』公式サイト
    デート・ア・ライブ公式X(Twitter)・@date_a_info

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