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囲み取材の集合ショット、天華えまさんも登壇!
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
石ノ森章太郎によるSF漫画の金字塔「サイボーグ009」が、誕生から60周年を迎えることを記念して初の舞台化! 5月18日、日本青年館ホールで開幕しました。千穐楽を迎え大盛況のうちに幕を閉じた舞台ですが、駆け込みの配信はまだあります!
本稿では、舞台の模様とともに、9人のサイボーグ戦士を演じるキャスト陣が、囲み取材で伝えた作品への想いをお届けします。
世界中に戦争を引き起こし兵器を売りつける謎の組織「黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)」に誘拐され、最強の兵士として改造された9人のサイボーグ戦士たちが反旗を翻し、平和のために戦う物語「サイボーグ009」。「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」Rule the Stageを手がけるタッグとしても知られ、アニメや漫画を原作とする2.5次元舞台で絶大な支持を博す、植木豪氏の演出、亀田真二郎氏の脚本により、その世界がいかに表現されるのか――さまざまなジャンルのファンから、期待値の高かった本作。そこで繰り広げられたのは、半世紀という時代を超え、観客の想像を超えた、まさに〝超マッハ〟のパワフルなステージでした。「平和への願い」という恒久のテーマを核とし、自由を求めるサイボーグ戦士たちの「自分は人間か兵器か」という葛藤を繊細に紡ぎながらも、最新鋭の映像技術をともなって繰り出されるアクション、そして、戦いの熱を感じさせるヒップホップダンスと、ライブさながらのバトルシーンが展開しました。
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎009 /島村ジョー役 七海ひろき
加速装置によりスピード戦闘を繰り広げる本作の主人公・009 /島村ジョーを演じたのは、元宝塚歌劇団男役スターで、現在は俳優ならびに声優として活躍する七海ひろきさん。サイボーグとなってしまった戸惑いと、戦士というには優しすぎる性分で、仲間たちと衝突しながらも強いきずなを育んでいきます。制作発表会でも明かされていた、キャスティングの理由のひとつ「憂い」のあるまなざしをもって、哀情のヒーロー像をつくり上げました。
「私自身、以前は『ひとりで頑張るぞ!』と突っ走ってしまいがちでした。そんなジョーが、仲間と出会い、みんなといっしょならより大きな力を出せるという考えをもつところは、今の自分にしっくりきます。活気ある現場でつくり上げてきた、本当に全員がかっこいい舞台です。正直、0010たちも『もしかしたら勝てないんじゃないか』と思う瞬間があるくらい、とにかくかっこいいんです」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎001/イワン・ウイスキー(天華えま/声の出演)
赤ちゃんながら優れた頭脳と超能力をもち参謀役ともいえる活躍をする001/イワン・ウイスキー。こちらを声で演じたのは、本作が宝塚歌劇団卒業後初の舞台となる天華えまさん。冷静さの中にも幼い純粋さがにじむ、透明感のある声は、まさに「脳に直接」響きわたりました。
「私も賢くなりたいですし、テレポーテーションできたらいいなと思いますし(笑)、イワンのように愛される存在になれるよう頑張っていきたいです。稽古場を見学させていただき『人ってこんなに動けるんだ、飛べるんだ、まわれるんだ!』と、大興奮でした。装置や音楽、いろんなものが化学反応を起こして最高の舞台になっているので、どの瞬間からも目を離してほしくないなと思います」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎002/ジェット・リンク(高橋駿一)
超音速飛行を能力とする002/ジェット・リンクを演じた高橋駿一さんは、ダブルダッチの選手として世界大会の優勝経験があり、床も宙もなく、舞台せましとアクロバティックに駆け回ります。
「僕も空中を舞う表現を得意としているので、ジェットとの共通点にできたらいいなと思います。それから、彼は気が短く好戦的ですが、実は仲間思いなんです。僕も仲間が大好きで、友だちを大切にしています。この作品を通して『なぜ、いろんな国の人たちが集まっているのか?』ということをすごく考えさせられたので、そういったストーリー面もぜひしっかり見ていただけたらうれしいです。カンパニー一同で必死に走り抜け……僕は飛び回りたいと思います!」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎003/フランソワーズ・アルヌール(音波みのり)
おしとやかながら自分の意見ははっきり口にする気丈さをもった003/フランソワーズ・アルヌールを演じたのは、元宝塚歌劇団娘役スターの音波みのりさん。気品あふれるたたずまいと優しい歌声で、観客の心を震わせます。009と寄り添う姿に、客席からため息のもれる瞬間も。
「フランソワーズは、平和への祈りを続けています。私も彼女に似た古風なところがあり、また常々『平和がいちばん』と思っています。お客さまとの融合をすごく楽しみにしていますので、前のめりな気持ちで見ていただけたらうれしいです。みんなでつくり上げたスピード感あふれる舞台に、ひとり取り残されないよう、頑張ります!」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎004/アルベルト・ハインリヒ(里中将道)
左腕がマシンガンになっていることを始め、全身を武器とする004/アルベルト・ハインリヒを演じたのは、2.5次元作品を中心に活躍する里中将道さん。002/ジェット・リンクと言い争い、クールなイメージが引きはがされる瞬間にも、芯の魅力が感じられました。
「ハインリヒはサイボーグになる前、苦しい時代にあって、いろんな経験をしているので、その分落ち着いて見えるかもしれません。でも、誰よりも仲間思いで、熱いところがあると思っています。僕も熱い人間なので、そういうところを出していきたいです。アクション、ダンス、照明といろんなものが合わさって本当に一瞬に過ぎ去ってしまうような舞台なので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎005/ジェロニモ・ジュニア(桜庭大翔)
鋼の肉体に怪力を宿した005/ジェロニモ・ジュニアを演じるのは、2.5次元舞台を中心に活躍する桜庭大翔さん。堂々たる体躯をもって仲間を守り、敵をちぎっては投げるさまはサイボーグ戦士たちの大黒柱です。
「ジェロニモ・ジュニアは、改造される前からずっと体が大きいんです。あそこまでのバルク(筋肉)を手に入れるために、きっとかなりの努力が必要だったんだろうと思うと尊敬しますし、彼をめざして、まだまだ僕も頑張っていきたいです。最新のテクノロジーがふんだんに使われている作品ですが、そんな中、からだひとつで表現するBG SOLDIERSの方々のパフォーマンスにも注目していただけたらと思います」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎006/張々湖(酒井敏也)
思いきり口から火炎を吹き出す姿も愛らしい006/張々湖を演じたのは、数々の名作ドラマや舞台を通して愛されている個性派俳優の酒井敏也さん。そのマイペースでチャーミングな存在感にいやされます。
「今回の劇中でも一瞬だけ出てくるのですが、張々湖は料理人で、僕がつくるチャーハンもすごくおいしいので、そこが共通点です。どこを切り取ってもかっこいい作品になっています。お客さまに『酒井、楽しんで頑張ってるな~』と思っていただけるよう、お芝居を楽しみます」
◎007/グレート・ブリテン(川原一馬)
どんなものにも変身できる007/グレート・ブリテンをユーモラスに演じたのは、ドラマや舞台と多岐に活躍する川原一馬さん。ご自身の武器であるリズム感と歌唱力が発揮された場面は、観客を巻き込んで劇場をひとつにします。
「グレート・ブリテンは、原作中でも設定が変化しているのですが『人間味がある』点ではずっと変わりません。サイボーグになっても怠惰ですし、好戦的だったり、でも中立的でもあって……波が激しく、シーンごとに仲間の感情に対して揺れているので、お客さまともいちばん近い立場で立っていられるのがいいなと思っています。音楽面でも、音圧を含めたライブ感を味わっていただく……本当に『観劇』というより『体感』ということばが合う作品です。疾走感もあり、あっという間に終わってしまうので、そういったすべてを体感していただけたらと思います」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎008/ピュンマ(Toyotaka)
水中活動に優れた008/ピュンマを演じたのは、ストリートダンス世界一を獲得したBeat Buddy Boiで、ダンサー、ヒューマンビートボクサーとして活動するToyotakaさん。巧みなダンスはもちろん、真っすぐに張りのある声を通しても、純粋で一本木な性格が感じられるようでした。
「ピュンマは、わりと中立的な立場でいるところに共感できるなと思いながら稽古をしてきました。サイボーグ戦士たちの能力の見せ方が本当に迫力満点で、場あたりの際、自分の出ていないシーンを見ていて、思わず『うおおお〜!』と叫んでしまったくらいです(笑)。かなりハードな舞台になっていますので、キャストもスタッフも最後までみんなで走れるように頑張っていきたいと思います」
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎アイザック・ギルモア(大高洋夫)
00ナンバーサイボーグの生みの親、アイザック・ギルモア博士を演じたのは、ドラマや映画、舞台など多方面で活躍する大高洋夫さん。囲み取材中には、キャスト陣からも「大高さんが締めるところをキュッと締めてくださる」とふれられていましたが、物語の根幹のテーマをまとう存在感をもって舞台に緊張と緩和を与えました。
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎0010/プラス、シキ(滝澤諒)、0010/マイナス、リク(相澤莉多)
「黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)」から差し向けられた、非情なる刺客「0010」。0010/プラス(シキ)を演じたのは、劇団四季「ライオンキング」ヤングシンバ役でデビューし、高い歌唱力を持つ滝澤諒さん。0010/マイナス(リク)を演じたのは、舞台「東京リベンジャーズ」三ツ谷隆役で注目を集めた相澤莉多さん。2人とも確かな実力で2.5次元作品を中心に活躍しています。009のあとに開発された双子のサイボーグであり、圧倒的な力で彼らを窮地に追い込むのですが……。
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
◎スカール(中塚皓平)
「黒い幽霊団(ブラック・ゴースト)」の幹部・スカールをぬらりと怪しい存在感をもって怪演したのは、ダンス&ヴォーカルグループ「DIAMOND☆DOGS」のメンバー・中塚皓平さん。黒いマントをひるがえし、舞台を闇に包みます。
©石森プロ ©舞台「サイボーグ009」製作委員会
囲み取材中にはキャスト陣から「舞台で楽しむ見どころと、配信で楽しめる見どころはまた違うと思います」ということばも。5月25日の公演がアーカイブ配信されています。この〝マッハ〟で過ぎていくにはあまりに惜しい瞬間を眼に焼き付けてください!
【取材・文 キツカワトモ/舞台写真撮影 小境勝巳】
■舞台「サイボーグ009」
◎楽天TVにて公演映像を見逃し配信中
■5月25日(土)12:00 公演、17:00公演
視聴期間:~5/31(金)23:59まで
■5月25日(土)17:00公演(定点映像)+千穐楽公演スペシャルカーテンコール
視聴期間:~7/6(土)23:59まで
見逃し配信はこちらから
スタッフ
原作:石ノ森章太郎
演出:植木 豪
脚本:亀田真二郎
キャスト
009/島村ジョー…七海ひろき
001/イワン・ウイスキー…天華えま(声の出演)
002/ジェット・リンク…高橋駿一
003/フランソワーズ・アルヌール…音波みのり
004/アルベルト・ハインリヒ…里中将道
005/ジェロニモ・ジュニア…桜庭大翔
006/張々湖…酒井敏也
007/グレート・ブリテン…川原一馬
008/ピュンマ…Toyotaka
0010/プラス 、シキ…滝澤 諒
0010/マイナス、リク…相澤莉多
スカール…中塚皓平
アイザック・ギルモア…大高洋夫
[BG SOLDIERS]…HILOMU、Dolton、KIMUTAKU、KENTA、GeN、加藤貴彦、神谷亮太
※石ノ森章太郎の「ノ」の字は、約60%縮小が正式表記
リンク:舞台「サイボーグ009」公式サイト
舞台「サイボーグ009」公式X(Twitter)・@cyborg009_stage(舞台公式ハッシュタグは#舞台009)